2015年3月26日木曜日

ココナツオイルの勉強

ココナツオイルは、ネットで検索すれば効能や効果、製造過程もいろいろ出てきます。何にどうよいということは、体感してみるのが一番だとは思います。

我々のミッションとしては、よりよい作り方や衛生管理を研究し、村の仕事創出の応援につながる方法を考えていくことです。また、巷にあふれる様々な情報、そして商品PRの言葉表現なども一つ一つ理解していきたいと思いますし、素晴らしい効果のあるオイルですが、それによって東南アジアからココナツの実がなくなったり高騰して地元の人たちが買えなくなる、ということが無いようにしたいものです。はるか遠くの日本でその恵みを味わえるまでのプロセスを知ったうえで有難く使わせて頂けたらいいなと思っています。

ココナッツは、東南アジアのような常夏の国では、余すことなくすべてが人間に奉仕してくれる恵みの木。高く伸びた幹は南の国の象徴的なイメージを醸し出し、空高く伸びていく様は人々に力強さを与えてくれます。その昔、村人はその高さを誇り、競うようにより高くココナツを育てるようなこともしたそうですよ。今でもタワーやビルの高さを競っていることを思えば、人はどこでもどの時代でも同じような望みはあるのでしょうね。

そして、今もココナツは人が木に登って手で取る作業が中心に行われていると思いますが(自社工場や農園を持っているような大規模産業の場合は知りませんが)、それはそれは命がけだそうです。今プロジェクトに関わっているW君は、小さいころ目の前で人が落ちて亡くなった事を経験しており、大変な仕事であるということ。自分も登って今飲む分ぐらいは採るけれど、何個も1日中とる仕事は専門の人がするそうです。

ココナツは、暑い国において日陰を与えてくれることがまず一番有りがたい。そして、実はジュースやミルク、そしてそこからオイルやバターが作れます。幹からはシロップが採れ、シュガーも作れますし、葉っぱ、樹皮、殻…そのすべてが人々の生活に役立ってくれます。繊維からタワシやほうき、マットやベッドまで作られていますし、田舎では、家の屋根や壁に葉っぱが使われていますね。硬い殻からは器やスプーン、ボタンなどが作られています。

現在実施中のオイルづくりがどういうものなのかといいますと、いわゆる伝統的な、ココナツの木からとった実を、そのまま手絞りでココナツミルクを抽出し、発酵分離させた一番ココナツの良さが生きている作り方、ということが判りました。

ココナツオイルの良さは、普通の油と異なり、熱に強く酸化しにくいという特徴がありますが、その良さを十二分に残すのが伝統的なコナツバージンオイル製法だということです。そして本来の栄養分と香りを残し、余分な成分が含まれないためにも、薬品を加えて処理する精製をする方法でなく、また加熱して成分を壊してしまうのでもなく、非加熱で圧搾する方がよいという事だそうです。

ココナツオイルに「低温(40度以下)」と表示されているのは、きっとこの暑い国の気温が30度を越えることが日常だからなのでしょうか。直射日光は当てろと言われても人間の方が参ってしまいますし、おのずと日陰で作業することになります。現地の人でも働ける気温なら36度ぐらいまででしょうねー。伝統的な作り方では当然と言えば当然のことです。

ココナツからミルクを絞りだし、そのまま火にかければ簡単に油が沢山とれます。その油は甘い独特の香りがします。それはどうやら今日本で人気のオイルとは異なるようですね。加熱により成分が変化し酸化もしやすくなるとか。

非加熱で油を抽出する方法には、発酵分離法と遠心分離法という方法があるそうで、我々のプロジェクトは前者の発酵させて油を分離させる方法です。温度管理を行って発酵させたものは、発酵臭がいい匂いで、泡もブクブクと活発ですね。これはマイエンザ実験の経験が役立ちます。元々ココナツには酵素が含まれているということですから、それが活かされた発酵の様子をみるだけでも体に良いということが分かる気がします。ココナツに自然に備わった命の力により酸化安定性が高く、長期保存を可能にしているということです。

もう一つの非加熱(低温)で油を取る方法には、遠心分離法があるそうです。これは、機械投資ができる基盤がある設備の整った工場で利用されていると思います。機械投資にお金をかけられるぐらい安く効率よく作れるということなのでしょうか。遠心分離機によりミルク分と油分を分離させるということですが、分離させるミルクの側に栄養素が残りやすく香りも控えめのものになるということです。料理に日常で使う油などにはよいかもしれませんね。また、遠心分離法に「非加熱」ではなく「低温」と表現がされているものがあるので、もしかしたら、常温で手作りする環境が最適だとすると、機械で抽出する工程の中で何等かの温度を加えているのかもしれませんね。ここらはまだよく分かりません。

またこうした工場製品にはオーガニック認定のものがあります。オーガニックと言えば、その認定基準は細かい規定があり、工場の設備なども含めての審査を受けますし、認定を受けるために資金も必要です。遠い国でだれがどのように作っているかもわからない消費者にとっての安心材料なのでしょう。

しかし、もしそれが無農薬とか、有機栽培、ということでしたら、ちょっとあれ~?と思ってみてください。ココナツはそもそも農薬を使ったり肥料をやらなくても南の国では育ってますからねー。また、あんな高いココナツに農薬を振りまこうものなら、ヘリから散布でしょうかしら。そんなことはないわけで…。

ココナツオイルの本来の命といいますか、有効な成分、力を知っていれば、また「発酵」という事を理解しているならば、手作りの良さと安全性は分かるのではとは思います。ただし、確かにどんな非衛生的な環境で作っているかわからないし、何か混ぜていたり、古い物を使ったり、火を入れているのに非加熱だ、というような嘘には騙されたくない、ということですよね。

この他、乾燥圧搾法溶剤抽出法というのがあるそうですが、熱を加えて乾燥させたココナッツは、油が抽出しやすいそうですが、熱によりココナッツに含まれる酵素がこわれやすいということです。香りは非常に豊かで甘い香りがするということなので、ココナツは熱を加えることで香りが高まることが判ります。我々のオイルは、ほんのりとしか香らないので当初は心配してましたが、これで理解ができました。

もう一つの溶剤抽出は、圧搾した後の残りをさらに溶剤に浸出させて油をとるそうです。さらにそれを精製して溶剤を除去するということです。私たちはこの絞り粕はセダナの子ども達用のお菓子にしていますが、確かにまだココナツのにおいも少し、また油も残ってますものね…。ちなみに、この「粕(かす)」ですが、おからのようですし、繊維がいっぱいで栄養もありそうなのに捨てるの?と思っていたら、「ココナツファイバー」と言って有効に使われているそうです。